はじめに

グランドパッキンのポンプを点検していて、「どのくらい漏れていれば正常なの?」「締めすぎると何が起きるの?」と迷ったことはありませんか?

この記事では、グランドパッキンの締め方・調整方法を現場目線で解説します。滴下量の目安と、締めすぎ・緩すぎのサインを押さえておけば、現場での判断に迷わなくなります。

結論:グランドパッキンは「ポタポタ」が正解

最初に結論をお伝えします。

グランドパッキンは、わずかに水が滴る状態が正常です。

「漏れている=異常」ではありません。これはグランドパッキンの構造上、避けられない仕様です。パッキンと軸の摩擦による発熱を抑えるために、意図的に少量の漏れを許容しています。

締めすぎて漏れをゼロにしようとすると、軸が焼き付いたりパッキンが早期摩耗したりするので注意が必要です。

正常な滴下量の目安

一般的な目安は1分間に3~10滴程度です。

現場では以下の3つの状態を意識してください。

状態滴下量判断
少なすぎほぼ0滴締めすぎの可能性あり
適正1分間に3〜10滴この状態を維持する
多すぎ線状に流れる締め増しが必要
滴下量のイメージ

締め付けの手順

用意するもの

  • スパナ(グランドナットのサイズに合わせる)
  • パッキン抜き工具(交換時)
  • ふっ素グリス(パッキン本体の潤滑用)
  • ネバーシーズ(グランドボルト・ナットのかじり防止用)

手順

① ポンプ運転中に滴下量を確認する まずポンプを運転させた状態で、現在の滴下量を確認します。止水状態や線状の漏れがあれば調整が必要です。

② グランドナットを少しずつ締める スパナで左右のナットを均等に、少しずつ締めます。一度に大きく締めると軸に偏荷重がかかるため、1/6回転ずつ交互に締めるのが基本です。

③ 5〜10分運転して滴下量を再確認する 締め調整後はすぐに判断せず、しばらく運転してから再確認します。熱を持つと状態が変わるためです。

④ 適正な滴下量になるまで②③を繰り返す

図解:グランド部の断面イメージ

やりすぎたときのサイン

以下のサインが出たら締めすぎです。すぐに少し緩めてください。

  • グランド周辺が熱い(触れないほど熱くなる)
  • 異音がする
  • 締めても締めても漏れが止まらない(パッキン自体の摩耗・交換時期)

油脂類の使い分け

現場でよく使う2種類の油脂を紹介します。

ふっ素グリス パッキン本体に薄く塗って使います。パッキンと軸の初期なじみを良くする効果があります。組み付け前に塗っておくと、初期の摩耗を抑えられます。

ネバーシーズ(Bostik Never-Seez Pure Nickel Special) グランドボルトやナットに塗ります。目的はパッキンの潤滑ではなく、ボルト・ナットのかじり防止です。長期間放置されたポンプはボルトが固着していることが多く、次回の整備時に苦労します。組み付け時にひと手間かけておくだけで、次の整備がスムーズになります。

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まとめ

  • グランドパッキンは1分間に1〜3滴の滴下が正常
  • 締め調整は1/6回転ずつ均等に
  • 締めすぎのサインは熱・異音・止まらない漏れ
  • 組み付け時はシリコングリスとネバーシーズを使い分ける

グランドパッキンとメカニカルシールの違いについては、こちらの記事も参考にしてください。 →【内部リンク:メカニカルシールとグランドパッキンの違いとは?

今日も一日、ご安全に。