ポンプの点検をしていると、軸のあたりからポタポタと水が垂れていることがあります。「これって漏れてるけど大丈夫…?」と不安になったことはありませんか?実はその”ポタポタ”、グランドパッキンにとっては正常な姿なのです。今回は、ポンプの軸封の定番「グランドパッキン」とは何か、仕組みと役割を初心者向けに解説します。
グランドパッキンとは?
グランドパッキンとは、回転する軸とポンプ本体(ケーシング)の隙間から水が漏れ出すのを抑えるための「詰め物」です。断面が四角いロープ状のパッキンを軸の周りに数本巻き付け、パッキン押さえという金具で締め付けて使います。
【ロープ状のグランドパッキンの実物】
少し漏れるのが「正常」な理由
グランドパッキンの一番の特徴は、あえて少しだけ水を漏らしながら使うことです。完全に締め切ってしまうと、回転する軸とパッキンの摩擦熱で軸が焼き付いてしまいます。ポタポタと滴る程度の水は、軸を冷やし、潤滑する大切な役割を持っているのです。
正常な滴下の様子
異常な滴下の様子
つまり「漏れゼロ」はむしろ危険なサイン。逆に、いつもより明らかに漏れが多い場合はパッキンの寿命や緩みが考えられます。締め方や滴下量の目安は、別の記事で詳しく解説する予定です。
グランドパッキンの増し締めには、パッキン押さえのナットに合わせやすいモンキーレンチが一本あると便利です。狭い場所での作業が多いビルメン現場では、コンパクトなサイズが重宝します。
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グランドパッキンの構造
パッキンは「スタフィングボックス(パッキン箱)」と呼ばれる部分に、数本重ねて収められています。手前のパッキン押さえをナットで締めたり緩めたりすることで、漏れ量を調整する仕組みです。
【ここに写真:分解時のスタフィングボックス・パッキン押さえ】
メカニカルシールとの違い
ポンプの軸封にはもう一つ、メカニカルシールという方式があります。こちらは精密な部品同士を擦り合わせる構造で、水はほとんど漏れません。「少し漏らして使うグランドパッキン」と「漏らさないメカニカルシール」、と覚えると分かりやすいです。
自分の現場のポンプがどちらなのか見分ける方法は、こちらの記事で写真付きで解説しています。
メカニカルシールとグランドパッキンの違いとは?現場で迷わない見分け方と特徴を解説
現場での点検ポイント
- 滴下量がいつもと比べて多すぎ・少なすぎないか
- パッキン押さえ周辺が異常に熱くなっていないか(締めすぎのサイン)
- 滴った水の受け(ドレン)が詰まっていないか
ポンプ全体の点検手順はこちらの記事にまとめています。
初心者でもできる!渦巻きポンプの基本的な点検方法
【まとめ】
グランドパッキンとは、ポンプの軸の隙間を埋める「詰め物」で、少し漏らしながら使うのが正常です。ポタポタは故障ではなく仕様。ただし「漏れゼロ」や「漏れすぎ」は異常のサインなので、日々の巡回でちらっと気にかけてあげてください。
どのグランドパッキンを選べばいいか迷ったときは、メーカーの選定表が参考になります。
参考:グランドパッキン簡易使用条件検索|株式会社PILLAR
今日も一日、ご安全に。