しごとの図書室

ドアクローザーの交換・調整ガイド|閉まらない・速すぎる原因と対策を解説

突然ですが、みなさんの身近に「ドア」はありますよね?

玄関ドアや廊下や部屋を仕切るドア、非常扉など、様々なドアが存在するのは言うまでもありません。そんなドアですが、ほとんど自動的にで閉まりませんか?それは「ドアクローザー」という部品が取付けてあるからなのです。

今回は、そんな「ドアクローザー」に注目して、ビルメンテナンスを行っている者からの視点で解説していきます。

もしかしたら、ちょっとしたお悩みの解決につながるかもしれません。

ドアクローザーにはさまざまなメーカーがありますが、今回は NEWSTAR|日本ドアーチェック社 の製品を中心にお話ししていきます。

結論

ドアの閉まりが悪い場合は油圧を抜く方向に調整する。

油圧を抜くと閉まるスピードが速くなるため速すぎると感じたら、油圧を効かせる方に調整ネジを回します。それでもドアが閉じない場合はドアクローザーの交換を検討しましょう。また、ドアストッパー機能やバックチェック機能が必要な場合、取り替えついでに再選定してみましょう。

取り替えの判断基準

  • 調整を行っても閉まるスピードが速すぎる
    → 調整弁で直らない場合は油圧が抜けている可能性アリ
  • クローザー本体からオイルが漏れている(扉に垂れたあとがある)
    → クローザー本体のオイルシールが破損している
  • アームのピボット部分の破損
    → ドアの開閉が不安定になったり、閉まるとき異音がする
  • 扉が閉まらない、ラッチがかかるまで扉が閉まらない
    → 適正サイズ・適正機能の確認を行う

そもそもドアクローザーとは?

ドアクローザーとは、ドアの吊り元側に取り付ける金具で、ドアが急に閉まったり開いたりしないように制御する装置です。油圧やバネの力を利用して、開放後にゆっくりと自動で閉める仕組みになっており、防火区画や気密性、安全性の向上などに大きく貢献しています。

しかし、ドアクローザーが正しく調整されていなかったり、ドアに合わない機種が取り付けられていると、本来の性能を発揮できず、ドアの閉まりが早すぎたり遅すぎたりして危険を生む原因になります。

ここからは、ドアクローザーの仕組みと役割について詳しく見ていきましょう。

ドアクローザーの基本的な役割

  • ドアを静かに閉める
    子どもやお年寄りがドアで指を挟まれることを防ぐことが出来る

  • 風で急にあおられるのを防ぐ
    強風の際、急に扉が開いて、扉の外にいる人や建物へのダメージを軽減できる

  • 防火、防音、防犯、部屋の気密性を保つことにも役立つ
    扉が開っぱなしになるのを防いでくれる

ドアクローザーの構造と動作のしくみ

  • 速度調整弁
    → ドアの閉まるスピードを微調整する重要なパーツです。
  • バックチェック機構(オプション)
    → 強風や人の不注意で急にドアが開くのを防ぎます。
  • アーム形状の違い(パラレル型・スタンダード型)
    → 取付場所やドアのデザインに合わせて選択可能です。
  • ドアストッパー機能付き
    → 開放状態を保持できるものもあります。

ドアの種類や重量による選定ポイント

新規で取り付ける場合はドアメーカーが選定していることが多いですが、交換や性能アップを目的とする場合は、ドアの重量やサイズに合わせた機種を選ぶ必要があります。
ほとんどのメーカーの公式サイトで対応ドアの重量表が公開されているので、確認してみましょう。

やりすぎには注意

ドアクローザーで悩む時は大抵、扉の閉まるスピードが速い、扉が閉まらない、といった状態になって初めて、検討することだと思います。しかし、取り換えを行う際、安易に値段だけで判断したり、サイズを大きくするだけでは以下のようなトラブルが起きがちです。

  • ドアのサイズ(重量)に対して、ドアクローザーが小さいと
    クローザーの能力が低く、調整の効きが弱かったり、閉じ不良がおきる
  • ドアのサイズ(重量)に対して、ドアクローザーが大きすぎると
    ドア・ドア枠の破損や、扉を開ける際、重たく感じる
  • 実際に多い施工不良としては、取り付け位置のずれやビスの緩み、アームの
    角度不良などが多いです

まとめ

ドアクローザーは、身近でありながら安全性に直結する大切な部品です。
もし気になる症状があれば、このブログを参考に調整してみてください。
調整しても改善しない場合は、ドアのサイズを確認して自分で交換を検討するのもひとつの方法です。

正しく選定・調整して、安全で快適なドア環境を整えましょう!

NEWSTARのドアクローザーについては

NEW★STAR公式サイト|日本ドアーチェック製造株式会社

も参考にしてみてください。

おまけ

NEWSTARの中に7000シリーズというクローザーがあり、ドアのサイズによって7001〜7007までラインナップされています。

そんな中、ちょっと特殊な7710V シリーズというクローザーが存在します。
私は実際に取付けたことがあるのですが、7003が取付けてある扉であればポン付け可能でありながら、7002〜7005相当の開閉力を調整出来る優れモノです。

特殊な扉や部屋内の換気扇によって負圧が強すぎる場合や、外からの風が強い場合は開閉力の調整により、閉じる力を強くすることが可能です。空調設備や建物の仕様環境で閉じ難い環境である場合オススメ出来るクローザーです。

今日も一日、ご安全に